「赤い鳥のこころ」とは
日本の近代児童文学創生期である大正時代に、童話と童謡の児童雑誌として創刊され、芥川龍之介、有島武郎、菊池寛、北原白秋、谷崎潤一郎など、今となっては伝説的な作家が次々と作品を寄稿した児童雑誌 『赤い鳥』の作品をアニメーション化したものが「赤い鳥のこころ」です。
この『赤い鳥』の名作群を「人生楽ありゃ苦もあるさ」で知られるテレビ時代劇『水戸黄門』の主題歌『ああ人生に涙あり』や、卵の殻をかぶった黒いひよこのキャラクター「カリメロ」が主人公となったテレビアニメ『カリメロ』の主題歌などの作曲家として知られる木下忠司が企画、音楽を担当しアニメーション制作されました。
1979年、テレビ朝日開局20周年記念番組として、毎週月曜19:00〜19:30の時間帯に『日本名作童話シリーズ 赤い鳥のこころ』(『まんが赤い鳥のこころ』)として放映され、第1回に放映された『天までとどけ』は当時ミラノで開催された国際映画祭の短編アニメ部門の第1位に輝き、さらにニューヨークのIYC映画祭でも上映されるなど、日本だけでなく、世界の児童文学に影響を与えた作品となっています。
【受賞歴】
*厚生省児童福祉文化奨励賞
*文化庁こども向けテレビ用優秀映画奨励賞
*国連・国際映画見本市共催 1979年 ミラノ国際児童映画祭グランプリ
「日本名作童話シリーズ 赤い鳥のこころ」の全作品一覧(26タイトル・右は原作者)
1 天までとどけ 吉田絃二郎
2 牛をつないだ椿の木 新美南吉
3 ふしぎな窓 西條八十
4 泣いた赤おに 浜田広介
5 天にのぼる話 火野葦平
6 牛女 小川未明
7 シャボン玉 豊島与志雄
8 鬼の角 泉鏡花
9 蜘蛛の糸 芥川龍之介
10 お馬 坪田譲治
11 赤いろうそくと人魚 小川未明
12 春を告げる鳥 宇野浩二
13 虎の子大発見 久留島武彦
14 野ばら 小川未明
15 満潮の玉 干潮の玉 鈴木三重吉
16 見捨てられた仔犬 下村千秋
17 なくなり物語 西條八十
18 ろうそくをつぐ話 大木惇夫
19 走れメロス 太宰治
20 母子星 北原白秋
21 風の母子 石森延男
22 五右衛門風 千葉省三
23 きつねの狐要信 佐藤春夫
24 杜子春 芥川龍之介
25 ごんぎつね 新美南吉
26 名人伝 中島敦